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オーブ

1985年か86年頃、マルコムと別れた後、ワールズ・エンド店は1年閉店し、ヴィヴィアンは、彼女を支えて自分のスタジオも使えるようにしてくれたフィオルッチとイタリアで過ごしました。この時期、彼女は王室をテーマに「伝統を未来へ紡ぐ」という発想で未来的なテイストを加えたコレクションに取り組んでいました。

このコレクションに影響を与えたのは、私が集めていた天文雑誌。母がイタリアに行く前に私が見せて貸したものです。母はコンピューターで加工した銀河の写真、ブラックホールの地平線、「ディープスカイ」写真に関する記事、土星とその輪の写真などを見ていたのです。

母が準備したウェアのひとつにニットのプルオーバーがありました。チャールズ皇太子が宇宙で着るところをイメージしたものです。グリフォン(上半身と翼が鷲で下半身がライオンという神話の生物)、紋章、スコットランドのアザミ、ウェールズのリーク(ネギの一種)、アイルランドのシャムロック、王冠、そして王冠の宝石のオーブなど、英国皇太子が持っていそうなものをすべてインターシャで編み込んでいます。未来の感覚を出すために、オーブの周りに土星の輪のような人工衛星の輪を加え、プルオーバーのデザインにも「Deep Sky」という言葉やレーダーアンテナを加えました。

当時イタリアには友人のカルロ・ダマリオ(現Vivienne Westwoodビジネスマネジャー)がいました。彼はこのプルオーバーのデザインやオーブを見て、「伝統を未来へ紡ぐ」という彼女の発想を完璧に反映したエンブレムとして、ロゴにぴったりだと言いました(当時彼女はお金を払って誰かにロゴを考えてもらっていました)。そうしてロゴが生まれ、それ以降のコレクションにはすべてこのロゴが登場しました。

最初はラベルや、一部のウェアの刺繍、ボタンに使われ、その後、87/88年秋冬コレクション「Harris Tweed」ショーで初めてオーブのペンダントが登場して以来、28年間を経てその使用が拡大し、デイビーズ・ストリート店のネオン、全店舗のハンガーラックの上部、コンデュイット・ストリートのプレスオフィスの巨大なシャンデリア、パフュームボトルのキャップなど、現在に至るまでさまざまな形でアレンジされています。

88年春夏コレクション「Pagan 1」ショーではDeep Sky ブレザーがGalaxyプリントとともに登場し、それに続く88/89年秋冬コレクション「Time Machine」ショーで、すべての出発点となったDeep Sky プルオーバーが登場したのです。

しばらくの間、このロゴがHarris Tweedのロゴと非常に似ていることで混乱を招いた時期もありましたが、ヴィヴィアンは長年使用されなかったこの伝統的英国生地を採用した初めてのデザイナーであり、それによってHarris Tweedの運命も救われたので、彼らは意に介しませんでした。

オーブ万歳。

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