ファッション業界は、ますます進む気候危機の大きな一因となっています。業界が排出する正確な炭素排出量については依然として議論の余地があるものの、世界銀行は現在、全世界の総排出量の10%がファッション業界によるものであると概算しています。
マッキンゼーによると、ファッション業界の現在の成長軌道は、2030年までに温暖化を2度以下に抑えるというパリ協定のコミットメントを、50%下回っています。業界は、急速に排出量を削減する必要があるのです。
温室効果ガスプロトコルでは、業界が排出する温室効果ガスをスコープ1、2、3と分類しています。スコープ1は、企業の自社工場や自社建物、業務で使用する車両などから、直接排出される温室効果ガスに該当します。スコープ2は、企業が購入した電気の製造によって排出された温室効果ガスに該当します。スコープ3は、原材料加工から廃棄物処理まで、および製品の流通から消費者によるその使用方法まで、企業の業務に関連して間接的に排出された温室効果ガスがすべて含まれます。
Vivienne Westwood Srlは2021年から、Vivienne Westwood Ltdは2022年から、社内評価に向けて国レベルでカーボンフットプリント算出を行ってきました。しかし、グループレベルでの報告が必要であるため、2023年以降はスコープ1、2、そして予備的なスコープ3のカテゴリーを網羅して排出量データを統合することになりました。
当社は、スコープ1、2、3の排出量に関するデータの範囲と精度を改善するよう努めており、引き続き、毎年の社内報告を続けています。
2017年、当社は、英国ファッション評議会ならびにロンドン市長と協力し、ファッション業界を結集して2020年までに再生可能エネルギーサプライヤーまたは再生可能エネルギー料金プランに切り替えるよう推奨しています。
以来、英国内の2店舗を除く直営店とオフィスが再生可能エネルギープロバイダーであるEcotricityに切り替えました。同社は、英国全体で化石燃料由来のエネルギーを再生可能なソースに替えることをミッションとしています。イタリアのブティックやオフィスは再生可能エネルギーを動力としており、フランスでは積極的に代替エネルギーを模索しています。2023年には、ロサンゼルスのオフィスや店舗が100%再生可能エネルギーに切り替え、ニューヨークの店舗やオフィスは、現在のところ100%の代替エネルギー使用が可能ではないため、50%再生可能エネルギーで稼働しています。インフラが整えば、2024年までに100%再生可能エネルギーに切り替えることを計画しています。
SWITCH to Greenキャンペーンには初年度に英国の20ブランドが参加し、推定合計3億5千500万キロワット時の電力をグリーンエネルギーから調達することができました。これは、スコープ1と2の排出量全体で125トンの二酸化炭素排出量が削減されることに相当します。
当社はこのキャンペーンをスコープ3の排出量にも拡大し、グリーンエネルギーに関するパートナーであるèNostraと協力して、イタリアのサプライチェーン提携各社が再生可能エネルギーサプライヤーまたは料金プランに切り替えるようサポートしています。
さらに、直接取引を行っているサプライヤー全社にアンケートを配布して、改善の余地がある箇所を特定し、再生可能エネルギー料金プランに切り替えることを推奨して、サプライチェーン全体でエネルギーに関する慣行を展開しています。
当社のイタリア事業部はDHLのGoGreenイニシアチブに参加しています。まず、当社のサプライチェーンで発生する輸送関連の二酸化炭素排出が算出され、チリの風力発電ファームへの貢献、レソトでのエネルギー効率測定、マラウイでの飲料水供給組織への支援など、社外の気候保護プロジェクトを通して相殺されます。
DHLは温室効果ガスプロトコルの製品ライフサイクルGHG算出及び報告基準に基づいて、排出量を算出し相殺しています。
2013年より、当社ではやむを得ない場合に限って出張するようにし、従業員の出張・通勤による環境への影響を低減するよう努めてきました。
以来、長距離フライトの利用が70%以上、短距離フライトの利用が50%以上削減されました。
これは、優先すべき移動手段、電気自動車に利用を優先すること、環境への影響を最低限に抑える手段で安全かつ健康に通勤できるよう従業員をサポートすることを概説した、移動に関するポリシーを通して達成できたことです。ロンドンのVivienne Westwoodは「Cycle Scheme(自転車のシェアリング)」に参加しており、公共交通機関や自動車ではなく自転車で通勤する従業員が減税できるインセンティブを与えています。
当社のスマート勤務ポリシーでも、毎日の通勤から発生する排気ガスを削減する機会を提供しています。
当社では過去数年にわたって、財務資金をグリーン金融機関へと移行するよう検討してきましたが、現時点ではグリーン金融システムが大口取引に対応していないなど、必要なソリューションが複雑なため、当社のニーズを満たす手段を見つけることができていません。今後もこの分野の進展を注視し、将来的にグリーン金融機関へ移行できることを願っています。
当社ではAvivaと提携した年金制度を設けており、Liontrustが展開する「サステナブル・フューチャー・マネージド・ファンド」に投資しています。これは、軍備・タバコ・ギャンブル関連企業への関与のない、化石燃料ゼロのファンドです。Liontrustチームは、二酸化炭素排出量をゼロに削減するよう努め、プラスチックのリサイクル、パッケージングのイノベーションと循環性に取り組む企業に投資するようコミットしています。
Liontrustは、国連責任投資原則(UNPRI)、財務報告評議会のスチュワードシップ・コード、金融安定理事会の気候関連財務情報開示タスクフォースの署名者です。